テレビで使われているコテコテの大阪弁は信じないでね--大阪・堺の人間より
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沢口靖子さんは、何を隠そう(?)堺出身なんですよ〜。
大阪弁って?
全国の人から見たら、
「テレビで流れてくる大阪弁」というものを
すべての大阪人が発している言葉のように感じている方が
多いのではないか? と、いつも思っています。
インパクトのある大阪弁は、
大阪・堺生まれ、堺育ちの私でも驚く時があります。
テレビのバラエティーで芸人の人が、あほ、あほと連発されると、
あほにも意味があって、正しく伝わっているのかな? と思うのです。
大阪のことば
大阪でも、北、中、南、など地方によって、言葉がずいぶん違います。
「河内のオッサンの唄」に代表するような、
「オー よう来たのワレ まあ上がって行かんかい
ビールでも飲んで行かんかいワレ ワレ ワレ」
とかは、大阪の堺辺りでは、なかなか言う人はいません。
河内言葉は昔の河内周辺(和歌山よりの大阪)の言葉で、
言葉がより激しいような気がします。
岸和田市の岸和田の祭りのような激しい雰囲気も、
根っからの堺人には、ありません。
どちらかといえば、「大阪で生まれた女」の歌詞、
「大阪で生まれた女やさかい 大阪の街よう捨てん
大阪で生まれた女やさかい 東京へはようついていかん」
に近いのではないでしょうか。
堺生まれの堺育ちの私からすると、
テレビの中の大阪弁も、別な方言のような気がします。
大阪の堺
知られているようで、知られていないのが、堺だと思います。
大阪の中心からやや南に流れている大和川から
さらに南に下ったところが堺です。
堺の地名は、平安時代にはすでにあるそうです。
そして、鎌倉時代、江戸時代とどんどん発展してきたようです。
そして何より、、、
古墳が多いです。
現在、
百舌鳥・古市古墳群(仁徳天皇陵という世界一大きなお墓)を
世界遺産にするために、堺市は奮闘しています。
昔は、千利休さんから、お茶の文化が盛んになり、
南蛮渡来から、鉄砲など、いろいろな物が伝来した古い土地柄です。
大阪府のど真ん中からみると、驚くほど、のんびりした地域で、
言葉のニュアンスも、おっとりしていると思います。
あほやなぁ~。
私たちが日常、口にする時の「あほやなぁ~」は、
だいたい自分が、ドジをした時に自分に向かって「あほしたわ」とか、
「あほみたい」と言って、自分を納得させるときに口にしています。
相手に「あほ」とかいうのは、子供だけで、大人は使いません。
目上の人に「あほや」ということもありません。
九州からこちらに来た人は「あほ」と聞くととても、
馬鹿にされたようで、ショックを受けたそうです。
逆に、大阪人の私たちは、「バカ」と言う言葉を聞くと、
なんて失礼な! と気分を害します。
そういえば以前、東京に旅行したとき、
地下鉄で電車の乗り場を尋ねたのですが、
耳に言葉は入ってくるのですが、全然捕まえられませんでした。
同じ日本語でも、全然違うものなんですよね。
あ~。言葉が通じへん、えらいとこに来てしもた。と思ったものです。
大阪弁は意外と丁寧ですよ
堺弁は、泉州弁とは、また違って温和な感じがします。
1番の違いは語尾でしょうか?
否定系ではなく、疑問で終わることが多いです。
私の祖父は、「よろし、お天気でんな~」「何してはりますんや」
などと、丁寧かつ、優雅な話しぶりでした。
現在、放映中のNHK“あさが来た”の玉木宏さんの新次郎さん、
友近さんのうめさんに近い感じです。
イントネーションはちょっぴり違うので、
ちょっぴり残念な感じですが、聞くと懐かしさでいっぱいです。
「〜しています」という意味の言葉は、
大阪では「~しはるねん」という言い方をします。
これは敬語でもあり、丁寧な言い回しではあるのですが、
それを目上、目下に関係なく使います。
お年寄りにも、子供にも使うのです。
面白いですよね。
私が、大好きなことばの使い方のひとつです。
伝えていく
その地方には、その地方の方言の良さがあると思います。
育った環境に、地域の人の特性加わり、方言ができたのでしょう。
情報文化が進み、また海外の方が、日本語をスラスラと話しているのを
見ると、言葉の力に驚かされます。
新しい、漫画言葉や、ネットから語学が進んでくると、
正しい日本語の良さや、方言の良さが失われていくような気がします。
自分の生まれた土地の言葉で、どうどうと話しかけていくことが、
これからは、大切だと思います。
松嶋尚美さんが、テレビの中から、じゃべってくれているぐらい、
沢口靖子さんが、ドンドン堺弁でしゃべってくれることを期待します。
私も、こてこての堺弁で、かっ歩したいと思います。